そのお酒本当に美味しいですか?

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「仕事終わりの冷えたビールが最高に旨い!」「ワインのポリフェノールが云々」……などなど、お酒は美味しいもの、いいものであるとされています。さて、果たして本当にそうでしょうか?

人生で最初のお酒の味はどうでしたか?

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私が生まれて初めて飲んだお酒は、20歳の時、夜遅くまで続いた肉体労働の帰り道にふと買ったコンビニのポケットウィスキーでした。

この日はすごく疲れていて、

「父親も毎晩飲んでるし、お酒って疲れが取れるのかも?」

と思ったのです。

ポケットウィスキーを選んだのは、単純に瓶がかっこよかったのと、安かったからです。

 

すごく悪いことをしているような気持ちで、ドキドキしながら会計を済ませ、店を出るなりすぐに開けて口をつけてみました。

 

不味かったです。

 

なんか理科の実験で使う薬品を飲んだような気分でした。(薬品を飲んだことはありませんけれども)

結局一口だけ飲んで、カバンに仕舞ってそのまま持って帰りました。

 

みなさんの最初の1杯はどうでしたか?

ちょっと思い出してみてください。

きっと最初から美味しかったという人はいないはずです。

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お酒が美味しいはずがない6つの理由

 喉が渇く

お酒を飲むと、肝臓で行われるアルコールの代謝で体内の水分が消費され、喉が渇きます。

喉が渇く、というのは人体にとっては生命の危機につながることなので、本来は嫌なはずなのです。

 

 すぐ死ぬかもしれない

飲み過ぎた場合、急性アルコール中毒になるかもしれません。急性アルコール中毒の致死率は80%超です。まず助かりません。

私もやりましたが、ほんと死ぬところでした。「その時」はアルコールで神経系が麻痺しきっているので何の苦痛もありません。もしかしたら、あのまま死んでいたら今でも死んだことに気づいていないかもしれません。

急性アルコール中毒で死にかけた私の体験談

私は以前、急性アルコール中毒で生死の境をさまよったことがあります。よくいう臨死体験とやらも経験しました。今は後遺症もなく元気にしていますので、面白半分でどう...

 

 肝硬変になるかもしれない

過度の飲酒を続けると、肝臓が悲鳴をあげます。

肝臓はとても強い臓器で優れた再生機能を持っています。なんと、全体の70%を切除しても4ヶ月~半年後には何事もなかったかのように機能も大きさも元に戻ってしまうのです。

ところが、お酒の飲み過ぎなどで肝臓を酷使し続けると、肝臓の細胞が死亡し線維化してまったく機能しなくなります。これが肝硬変です。

肝硬変になった細胞は二度と元には戻りません。

たとえば、お肌でもすり傷くらいなら放っておけば跡形もなく元通りになりますが、包丁やなんかでバッサリと切ってしまったり、大きな火傷をしてしまったような場合、その部分はケロイドになって体毛すら生えなくなりますよね。肝硬変もこれと同じような状態です。

それ以降の人生を、肝硬変がさらに進行しないようにヒヤヒヤしながら、残された無事な肝細胞のみで生きていくことになります。悲惨です。

 

 社会的信頼に傷がつくかもしれない

後を絶たない飲酒運転による人身事故。いつ自分が巻き込まれるかもわかりません。

もちろん飲酒運転なんてもってのほかですが、それ以外でも酔って気が大きくなって日頃絶対にしないようなことをしてしまうようなリスクは常にあります。私も何度猛烈に後悔したことでしょう。

また、きちんと節酒しているつもりでも、その時の体調次第では翌朝あまりお酒が抜けていないということもあります。

そうなると結局、お酒臭いまま仕事へ行かなければいけませんね。

 

 身体的なケガをするかもしれない

お酒を飲むと注意力が散漫になります。

科学警察研究所の調査によると、お酒の強い人とお酒の弱い人を対象にした実験で、呼気中アルコール濃度が0.1mg/l(ビール250ml)程度の低い状態でも、両者同様に目の前の危険に対しての反応時間に遅れが生じることがわかりました。

つまり、少量でもお酒を飲むとお酒に強い弱い関係なく同じだけ反応時間に遅れが出るということです。

 

 うつ病になるかもしれない

腸内環境がお肌のコンディションと密接な関係があるというのは有名ですが、気分やテンションにもかなりダイレクトにリンクしているというのはあまり知られていません。

これは、人間の幸福感や充実感、精神の安定をもたらす重要なホルモンであるセロトニンの大半が腸で作られているためです。

お酒を飲むと、

■毒性の強いバクテリア(悪玉菌)が腸内で増える
■アセトアルデヒドで腸に微細な穴がたくさん開く

ということが最近の研究でわかってきました。

腸内環境が悪化しセロトニンの生産が滞ると、どうしてもやる気が起きなくなったり、陰鬱な気分になります。生体の化学反応なので精神の強弱は関係ありません。

これがまた、お酒を煽る動機となってエンドレスな悪循環になってしまうのです。

お酒が抜けないあなたに知ってほしいリーキーガット症候群

お酒で腸に穴が空く!?……原因はお酒だけではありませんが、現代のとくに日本人の70%がその疑いがあるといわれているリーキーガット症候群(LGS)について解説します。...

なぜお酒を美味しく感じるのか?

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「仕事終わりの冷えたビールが最高に旨い!」

……なぜコーラでも炭酸水でもなくビールなのでしょう?

「ワインのポリフェノールが云々」

……なぜサプリメントではなくてワインなのでしょう?

 

前述のとおり、人間の生命維持の本能から考えると本来「美味しい」と感じるはずのないお酒ですが、なぜ私たちはお酒を飲み続けてしまうのでしょうか?

 

それは、お酒の席の楽しい雰囲気がいつの間にか「美味しい」に化けてしまったからです。

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アンカーとトリガー

マインドコントロール(洗脳)の王道的な方法で、リラックスさせた対象者に金品や言葉や薬物で快楽を与えたり過去の快楽体験を想起させたりしておいて、その幸福感に満ちた状態を現実のあるものに結びつけ、次からそれを見たり触ったりしたらその快感がありありと蘇るようにする、というのがあります。

あるものがトリガー(きっかけ)となって、快楽というアンカー(情動)が反射的に呼び起こされるのです。
※アンカーとは船をつなぎとめておくイカリという意味。

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学校で習った「パブロフの犬」のような状態ですね。

もちろん、誰かに仕掛けられたわけではなくても、誰しも経験からこういう回路をいくつか持っていて、日常的に機能しています。無意識レベルになっているので、よく注意して思い出さないとなかなか見つけられませんが。

お酒が美味しいと感じる仕組み

お酒の席の楽しい雰囲気がいつの間にか「美味しい」に化けている。

つまり、お酒の味や香りがトリガーとなって、お酒の席の楽しい雰囲気というアンカーが呼び起こされているということです。

 

日本人はアルコール脱水素酵素やアセトアルデヒド脱水素酵素が少ない、いわゆるお酒に弱い人が多いので、お酒に強い人、お酒を豪快に飲める人をむやみに賞賛する気風があります。

「いや~、飲めるねえ!!」

「男らしい!」

「ザルだよザル!」

そうやって、上司や先輩に手を叩いて喝采を浴びた快楽体験こそが、あなたの「お酒が美味しい」の正体かもしれません。

アルコール脱水素酵素(ADH)
アルコールの分解の先陣を切る酵素。アルコールをアセトアルデヒドに分解する。

アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)
二日酔い時の不快感、体調不良、不快な体臭の元凶であるアセトアルデヒドを酢酸と水と二酸化炭素に分解する酵素。

 

また、お酒を飲むと恐怖心が麻痺しますので、気持ちが大きくなって大胆になります。

「○○くんっておもしろい!」

「いつもは無口なのに、お酒を飲むと男らしい!」

そうやって、お酒の酔いで大胆になった姿を褒められたり、お酒の勢いで異性といい感じになった快楽体験こそが、あなたの「お酒が美味しい」の正体かもしれません。

 

あなたが欲しいのはお酒そのものではないかもしれませんよ?

大切なのは「知ること」

無理にお酒をやめる必要はないと思います。

一人で黙々と作業をして生計を立てられる職人さんのような方なら話は別ですが、一般社会で会社に勤める人がお酒を断固拒否し続けて生きるなんて現実的ではないと思います。

私はやってみたことがありますが、かなり難しかったですし面倒でしたので断念しました。美味しそうに、楽しそうに飲んでしまったほうがスムーズな場面というのはたくさんあります。

そりゃそうです。それまでお酒を飲んでコミニュケーションを取ってきた友人や職場の人が大半なのですから。それでも断固やめるなら、もう人間関係を一新してお酒が飲めない人だけのコミュニティに入るしかありません。

 

ただ、この記事で書いたことを知っているのと知らないのとでは、飲み方が変わります。

 

お酒を控えたい、やめたいとお考えの方だけでなく、公私でお酒を飲む機会の多い方全員に知っておいてほしいと思いました。

 

以上です。最後までお読み下さりありがとうございました。

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