アルコール依存症チェックの罠

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お酒を飲まれる方であれば誰しも一度はアルコール依存症チェックをしてみたことがあると思います。どんな結果になりましたか?もしかして「アルコール依存症」と診断されませんでしたか?

アルコール依存症チェック

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いろんなところに散らばっていたアルコール依存症チェックの項目を精査してまとめましたので、おさらいがてらやってみてください。

□お酒をやめなければと思ったことがある
□お酒が原因で人間関係に波風が立ったことがある
□「お酒を飲んでいなければいい人なのに」と言われたことがある
□お酒を飲んで強く後悔することがある
□お酒を飲んで記憶をなくしたことがある
□お酒を飲んでいるのがうしろめたい
□迎え酒をしたことがある
□毎日決まった時間になるとお酒を飲みたくなる
□お酒が切れるとイライラしたり不安になったりする
□お酒を飲むと仕事の能率が下がる
□お酒が原因で仕事でミスをしたことがある
□二日酔いが原因で約束を破ったり仕事を休んだことがある
□お酒を飲みながら仕事や家事をすることがある
□医者からお酒を控えろと言われたことがある
□お酒のために経済的にピンチになったことがある
□外で一人でお酒を飲むことがある
□朝までお酒を飲むことがある
□休みの日は朝からお酒を飲むことがある
□お酒が原因で病院に入院したことがある
□お酒をやめたほうがいい生活を送れそうだと感じる

このどれかに3つ以上当てはまる方はアルコール依存症です。

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あなたを依存症患者に導く悪質な「依存症チェック」

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きっとあなたも上記のアルコール依存症チェックリストにおかしな点があまりに多いことにお気づきだと思います。

少なくとも私は、次のように思いました。

 

□お酒をやめなければと思ったことがある

お酒を飲んだことのある方なら誰だってあると思います。

「お酒をやめなきゃ」と思ったことがあるから何なんですか?

 

□お酒が原因で人間関係に波風が立ったことがある

お酒は一時的に恐怖心を麻痺させます。人間関係に波風が立つこともあるでしょう。しかしそれはお酒という物質のもつ性質が原因であって個人は関係ありません。

 

□「お酒を飲んでいなければいい人なのに」と言われたことがある

上記同様、お酒は恐怖心を麻痺させます。いつもより感情的になってしまうのは当然ですし、個人は関係ありません。

そもそも、酔った時のあなたのことをそういうふうに言うのなら最初から飲みに誘うなというだけの話です。

 

□お酒を飲んで強く後悔することがある

最初に泥酔を経験した人は誰だって気持ち悪さから強く後悔するでしょう。この問いに「No」と答えられるのはお酒を飲んだことがない人か、昨日お酒を飲み始めたばかりの人です。

 

□お酒を飲んで記憶をなくしたことがある

中には全くないという人もいますが、そういう人は稀です。数年お酒を飲んでいる人は必ず一度や二度、記憶がなくなったことがあるはずですが何か?

 

□お酒を飲んでいるのがうしろめたい

これは環境によると思います。うしろめたいという感情は比較対象がないと発生しません。

よって周囲にお酒を飲むことに否定的な人が多ければ、そうなることもあるでしょう。

 

□迎え酒をしたことがある

アルコールの代謝という観点からすると無意味どころか逆効果ですが、二日酔いの気持ち悪さからただ逃れたいのであれば、たしかに有効な方法です。

民間療法としてはかなり有名なものだと思うのですが、それをしたことがあるからといって何なんですか?

 

□毎日決まった時間になるとお酒を飲みたくなる

毎日晩酌をする方はそうでしょう。習慣とはそういうものです。

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□お酒が切れるとイライラしたり不安になったりする

これもお酒のせいではありません。

そもそもがイライラしたり不安になるようなことがあってお酒を飲んでいる場合、酔いが覚めればまたイライラや不安が襲ってくるのは当然です。

そうでない人でも、いつもお酒を飲んでいる時間に拘束されていれば、普通にイライラしませんか?

こういうチェックリストを作った人は、あなたがこの問いに「No」と答えることも計算して作っています。他の問いの引き立て役です。

 

□お酒を飲むと仕事の能率が下がる

人体の仕組み上誰だってそうです。ジャッキー・チェンやトニー・ジャーはお酒で覚醒することがありますが、あれは映画です。

 

□お酒が原因で仕事でミスをしたことがある

これも曖昧です。

仕事中にお酒を飲むことを許しているおかしな会社か、もしくはプライベートも無視して社員の携帯を鳴らし仕事をさせるような、倫理道徳無視のブラック企業でしょう。

両者に共通しているのは、会社が悪いということです。

 

□二日酔いが原因で約束を破ったり仕事を休んだことがある

・二日酔いでどうにも仕事ができない
・お酒が抜けていなくて酒臭い

そんな時は仮病を使ってでも休むのが最善ではありませんか?

そのまま仕事に行っても、

・気持ち悪さや強烈な眠気で仕事が進まない
・お酒臭さで周囲のモチベーションを下げる
・後のあなたの信頼まで大打撃を受ける

というリスクがあります。

自分のためにも会社のためにも、月の給料を一日分無駄にして、休んで苦しい思いをしながら、次そうならないようにしっかり反省するのがいいと思います。

 

□お酒を飲みながら仕事や家事をすることがある

会社のオフィスで周囲が一生懸命仕事をしている中で、いきなり自分一人缶ビールを飲みだしたらそれは道義的によくないでしょう。当然です。

禁煙席でいきなりタバコをふかしたらいけないのと同じで、アルコール依存症とはまったく関係ない話です。

後半に関していえば、夫婦共働きの家庭の場合、仕事から帰ってきて晩酌をしながら洗い物をするようなこともあるでしょう。それが何かいけませんか?

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□医者からお酒を控えろと言われたことがある

飲み会ラッシュの後でタイミング悪く会社の健康診断か何かに引っかかると、必ず言われます。そりゃそうです。医者もボランティアじゃありません。

まず、私たちはお医者さんが常に私たちのために誠を尽くしてくれるものだという変な先入観を持たされていますが、お医者さんだって人間です。虫の居所が悪かったら適当なことをも言うでしょうし、タイプの患者さんなら診察を長引かせたりすることもありますよ。

 

□お酒のために経済的にピンチになったことがある

給料日前なのに、断りづらい飲みのお誘いが入ってしまって、翌朝「ああやっちゃった」というのはよくあることです。お酒を飲むと気分が大きくなりますし。

むしろ、お酒程度の出費で経済的にピンチになってしまうような給与形態や社会のほうに問題があると思いますが。

 

□外で一人でお酒を飲むことがある

ダメですか?

吉幾三さんの名曲「酒よ」を聴きながら、場末の小さな居酒屋のカウンターで、お酒をちびちびやりながらひとり感傷に浸る……。私はとても味のある情景だと思いますが。

 

□朝までお酒を飲むことがある

あるでしょう。逆にこれがないという人がいるのでしょうか?

 

□休みの日は朝からお酒を飲むことがある

朝から飲むことの何がいけないのでしょうか?

夜は混むので午前中からビアガーデンに乗り込んだり、キャンプで午前中からお酒を飲んでワイワイやりながらバーベキューの準備をしたり、出張先のホテルで中休みの日に朝から軽く一杯飲んだり、朝からお酒を飲むシチュエーションはいくらでもあります。

そういうイベントが絡まなくても、休みの日に夜ではなく朝にお酒を飲むリズムになっている方もいると思います。わかります。気持ちいいんですよね。

 

□お酒が原因で病院に入院したことがある

はい、あります。

ありますけど、それが原因で私は一生こういうチェックをする時にアルコール依存症の可能性アリに一票入ってしまうんですか?今の私のお酒とのつきあい方などをすっ飛ばして?

意味がわかりません。

 

□お酒をやめたほうがいい生活を送れそうだと感じる

これはお酒を飲む人が誰しも感じることです。

お酒にしろタバコにしろ、やめたほうがなんかいい生活を送れそうな気がするでしょう。なぜなら、それが体に悪いものであるというのが常識なので。

「勉強をしたほうがいい人生を送れそうな気がする」

と同じレベルの抽象的な話です。

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アルコール依存症かどうかを判断するたった1つの質問

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上記の通り、巷にあふれるアルコール依存症チェックの質問はおかしなものが多いです。

ならば、自分がアルコール依存症かどうか診断する方法はないかというと、そうではありません。

□イライラしたり不安になると反射的にお酒を飲みたくなる

この問いに「Yes」の場合、アルコール依存症の可能性があります。

アプローチすべき場所はたった2つ!

最初はきっと

「嫌なことがあったから、お酒でも飲めば忘れられるかな」

とか、ちょっと背徳感の混じったそんな思考を経ていたはずです。

 

「もしかしたらアルコール依存症かもしれない」

と思うほどにお酒にどっぷりと浸かってしまっているというのは、それがいつしか習慣になって、思考回路が無意識レベルにまで落とし込みをされた状態です。

 

迫ってくる問題、課題→不快な情動(イライラや不安)→お酒を飲もう

こうしてお酒を手に取るのですが、これが無意識に脊髄反射的に行われるので、あなたはまるで中毒者のように自分自身を誤解しているだけです。

お酒を飲み続けてしまうのは、不快な情動が止まらないからで、不快な情動が止まらないのは、不快な情動を与え続ける何かが解決されていないまま放置されているからです。

もしかして、問題があったことすらもう忘れているかもしれませんね。

 

一見複雑な問題に直面した時に大切なのは、問題を分析してシンプルにすることです。

①瞬時にお酒を取ろうとする頭の中の手を一回止めて
②不快な情動の原因を直視し解決策を考える

たったこれだけです。

 

きっと、人それぞれ感じ方は違うでしょうが、不快な情動の強さに比例してお酒の量も多いはずです。つまりそれは、その根本的な原因となっている問題が、これまでのあなたにとって解決困難なものだったということでしょう。

ならばなおさら、お酒の抜けきったクリアな頭で解決策を考えたほうが早いです。

あなたに長年苦いお酒を飲ませ続けている元凶を取り去ってから、清々しい気持ちで心から美味しく思える祝杯を飲みませんか?

物事には必ず原因がある

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仕事が終わると毎晩記憶がなくなるまでお酒を飲み、休みの日は朝からお酒を飲みだして、昼頃に一回潰れて、目が覚めたらまた夜まで飲み続ける。

そんな生活が何年も続いている。自分はアルコール依存症なんだ。イライラとか不安とか習慣とかそんな野暮な話はお門違いだ。

……きっと、かつての私ならそう言うはずです。自分はお酒が好きで飲んでいると信じて疑いませんでしたので。

 

誰がなんと言おうと物事には必ず原因があります。

あなたはそこまで重症ではないかもしれませんが、もしかつての私のように心身に不調をきたすまでの飲酒を常習的に続けていて、「なんとかしなきゃ」とお思いなら、まず

「アルコール依存症」

というペラ紙一枚のレッテルで、あなたの心に蓋をしてしまわないでください。

レッテルを貼ってしまえば楽になる気持ちも痛いくらいにわかりますが、そうなったら最後、

「依存症は完治しない。一生やめ続けるしかない」

とか言っているさじを投げておきながら人に教えを垂れる意味不明な人たちの餌食になるだけです。

依存症は一生治らないというお金のニオイのプンプンする嘘

一般的に「依存症は治ることはないので一生やめ続けるしかない」といわれています。ここではそれが如何に無理やりな論理かについて考えます。依存症は完治しない。一生...

 

大丈夫です。必ず原因はありますので、引越しの荷物を整理するみたいにして探しましょう。

おわりに

ちょっと生意気な、辛口な口調になってしまいました。不快に思われた方がいらっしゃいましたらすみません。

あなたが最高に美味しいお酒を飲めるようになるヒントになれば、私としてはこれ以上にうれしいことはありません。

 

最後までお読みくださりありがとうございました。

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